March 20, 2006

『カメラカルチャーマガジンLens創刊号』(Win/Mac版CD-ROM)

独特の“ユルさ”を感じさせる、ほのぼの〜なカメラ雑誌だ
 『カメラカルチャーマガジンLens創刊号』(Windows版CD-ROM)


(Macintosh版CD-ROM)もあります→『カメラカルチャーマガジンLens創刊号』

著 者:合資会社エックスレイ
価 格:1,795円(税込)


■ ひと口に自費出版といっても、その目指すところや姿勢は様々。
一方に“鋭さ”のベクトル(超マニアック、改革革新、完全プロ指向)があるとすれば、もう一方には独特の“ユルさ”を感じさせる出版物がある。なんちうか、仲間うちで酒でも飲んでるうちに「雑誌でもやろうか」って話が盛り上がっちゃって、じゃーやってみよっかー、てなノリ。
この“断然アマ指向”なユルさが、普段プロの技術とクリエイティビティを駆使しまくったメディアの集中砲火を浴びてる身には、なんともほのぼのと和ませてくれるよなぁ……と思うこの頃。


 で、PDF Camera Culture Magazine――『Lens』が、このアマ精神に非常に溢れておるんです。とりわけ特集『カメラのクラシック広告』は好企画。
昭和26年、民間ラジオ放送の開始→コマソン黎明期に現れた小西六のコマーシャルソング『僕はアマチュアカメラマン』を当時の世相とともに考察していくという内容。
作者・三木鶏郎氏は「ミツワ石鹸」「ミルキーはママの味」「明るいナショナル」なんかを作った人なのか〜ってことがわかっちゃうし、曲データはCD-ROMのオーディオトラックに入ってるし、加えてクラシックカメラの雑誌広告が膨大にスキャンされ収録されております。なかなか充実のルポなんですが、この“昔のアマチュアカメラマンライフ”を取り上げた編集氏は、やはり自らも“アマチュアであること”を楽しんでおられるのだなぁと感じさせる構成。
「万国博・ドイツ館においてツアイス製カメラ・各種レンズが展示中」なんてコピーが躍る誌面、007っぽいミノックス超小型カメラの広告なぞをブラウズしておりますと、雑誌を読んでいるというより、友だちん家でコレクションをじかに見せてもらってるような感じで、ほのぼの〜。

 その他、ローカル線のトホホな旅情が匂いたつ『へべれけ紀行』(爆笑&失笑)、都電をとりあげた『東京ローカル』など、あたかもWeb日記のようなユルくてフツーな日常が綴られております。
いわば本誌はカメラファンの集うBBSがそのままパッケージされたような体裁になっておりまして、実際にカメラとカルチャーのホームページ『セミクラコム』へのリンク(※注)もあり。
ちょいとここらあたり覗いてみて、ピンと来る方にはお買い上げをお薦めする次第です。
(文/Yuko Nexus6)


●Yuko Nexus6 ライター&Mac音楽家。「アスキー24」「WIRED」誌などでライターとして活躍。Macユーザーの読者が多い"リンククラブ・ニューズレター"(URL)http://info.linkclub.or.jp/にも執筆中!
著書に「FLYERS--California」(ぶなのもり刊 星雲社発売)、「サイバーキッチンミュージック」(翔泳社刊)がある。音楽家=ふにゃふにゃ脱力系サンプリング姐御 YUKO NEXUS6として「NEKO-SAN KILL!KILL!」(KAERUCAFE KACA 0085)を発売中!。
ホームページはこちら→(URL)http://www02.so-net.ne.jp/~nexus6/index.html

(※注)現在、ホームページは閉鎖されている。

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Posted by dearbk at 23:56:00 | from category: 電子本紹介-CD-ROM版- | DISALLOWED (TrackBack) TrackBacks
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